Project Story
地域経済プロジェクト

受け身ではなく主体的に行動して
真っ白な紙に描いた地域の未来図を具現化する。
プロジェクトメンバー
地域戦略統括部
地域戦略推進グループ
調査役
片沼 迪太郎
地域戦略統括部
地域戦略推進グループ
グループ長
河野 辰巳
地域戦略統括部
地域戦略推進グループ
調査役
本田 圭太

プロジェクト概要

地方自治体と民間企業、各団体を結ぶ窓口となって主体的に活動し、地域の課題を解決するという、今までの金融機関では考えられなかった使命を担い、2016年にブロック支援部 地方創生推進室が誕生。その流れを汲んで2019年に生まれたのが、地域戦略統括部だ。このチームが手がけることになった最初の地方創生プロジェクトが、20軒以上の老舗高級旅館が並び、多くの文豪や財界人に愛された神奈川県西部の温泉街・湯河原町の再興だ。そのシンボルとして選ばれたのは、江戸時代に創業したとされる『富士屋旅館』。15年前に営業を停止し、休業状態にあった老舗旅館の再生への道のりと現状、今後の展望について、最前線で実行支援を担う地域戦略推進グル-プのメンバーに聞いた。

ファンドの立ち上げと投資の実行で2年3か月を要す

神奈川県の観光地活性化に取り組むREVIC(地域経済活性化支援機構)と横浜銀行が協定を結び、江戸時代に創業した歴史的な旅館の再生を足がかりとする湯河原町の再興プロジェクトがスタートしたのは2014年。河野が率いる地域戦略推進グループにとって、そこからの道のりは我慢の連続だったと言っていい。REVICとの共同出資で『かながわ活性化ファンド』を立ち上げるまでに1年3か月。そこから『富士屋旅館』再生のための投資実行まで1年近くの時間を要したのだ。

河野:「富士屋旅館を含めたファンド運用計画について行内の信任を得るのに時間がかかり、ファンドの立ち上げが大きく遅れてしまいました。さらにファンド立ち上げ後も、富士屋旅館を保有していたオーナーのプロジェクトへの理解と旅館売却の承諾を得るため、何度も丁寧にご説明を繰り返し、1年の時間をかけました。『湯河原にかつての賑わいを取り戻したい!』という熱意を汲んでいただけたのだと思っています」

15年間休業していた旅館のリノベーションは困難をきわめた

運営スキームを固めた後、満を持して着手した旅館のリノベーション工事も困難をきわめた。

河野:「大正時代に造られた梁や柱を可能な限り残してリノベーションするため工期を長く(1年)設定していたのですが、壁を剥がしてみると損傷・腐食しているところが想像よりはるかに多く、予算と工期を大幅に修正しなければなりませんでした。そのため、資金調達の目処がつくまで、工事を止めざるを得ませんでした」

こうした場合は、SPC(特別目的会社)が横浜銀行から新たに借り入れるという形で資金を調達することが可能だが、事業スキームが複雑になる上に回収に時間がかかってしまう。そのため河野は、リノベーション工事と開業後の運営を担う会社との契約内容の見直しと、新たな補助金を申請するという方法を選択。工事は、銀行からの借入を最小限に留める目処がついた半年後に再開。湯河原町再興のシンボルとして位置づけられた富士屋旅館は、2019年2月9日に開業した。

開業はスタート。試行錯誤しながらチャレンジを続けていく

開業後は、『神奈川県湯河原町の歴史的資源を活用した地域活性化に向けた連携協定』(湯河原町、REVIC、湯河原温泉まちづくり協議会、一般社団法人ノオトと2017年に締結)に基づき、旅館周辺の賑わいづくりにも着手。クラウドファンディングを活用しシャッター商店街の飲食店のいくつかをリニューアルした。長期的なプロジェクトではあるが、発足当時の想いを胸に、チームの士気は高い。

河野:「20年先を見据えて立ち上げたプロジェクト。旅館の開業はゴールではなくスタートですし、波及効果を測るには3~5年はかかります。試行錯誤しながらチャレンジを続けていきます」

片沼:「地域を活性化させるプロジェクトを自ら仕掛けて行政を巻き込んでいく。そこに、今までにないおもしろさを感じています。入行したときはこんな仕事ができるなんて思わなかった。銀行を取り巻く環境が変わってきたのだと思います」

本田:「このチームで仕事をすることを目標にしている行員も多いと聞いています。学生の皆さんにも興味をもっていただけるよう、このプロジェクトで得たノウハウを活用して、私の担当エリアである箱根や小田原なども変えていきたいと思っています」
地域経済について
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