行内向けアプリ・システム開発
プロジェクト

部門や会社の垣根を越えて関係者をつなぐ。
開発業務の内製化にも挑戦。

プロジェクトメンバー

ICT推進部

T.K

ICT推進部

T.T

ICT推進部

S.W

ICT推進部

M.Y

※紹介行員のインタビュー内容・所属等は取材当時のものになります

プロジェクト概要

本部業務の効率化・高度化を目的とした情報化戦略の企画・立案。既存のシステムと新技術を組み合わせた商品・金融サービスの設計・開発・運用。
銀行業務の最適化に不可欠なこうしたプロジェクトにおいてICT推進部が担うのは、部門や会社の垣根を越えて関係者をつなぐ橋渡し役だが、近年は開発業務の内製化にも力を入れている。その取り組みのなかから「ローコード開発による業務アプリ作成」「店頭タブレット端末AGENT(エージェント)の新機能開発」に「営業支援システム、融資業務支援システムの統合」「融資審査支援システムに搭載する審査ロジックの改訂」に焦点をあてた。

【ローコード開発による業務アプリ作成】

開発業務の内製化を進めるため
未経験の担当者がローコード開発を学習:T.K

IT・デジタル部門でものづくりができる人を増やす。中期経営計画の重点戦略に基づき、汎用のアプリ作成ツールを活用して開発業務の内製化を進めているICT推進部。その取り組みの1つが2022年4月にスタートした『業務アプリ』の開発だ。

「行内業務のデジタル化を進める中で、担当者や承認者の負担減と業務効率のために作成したアプリです。日次業務として、担当者が紙やエクセルで作成し役職者が確認するフローをペーパーレス化することにより、手順の簡略化をはかり、記録の管理を容易にします」

開発にあたっては、現状の運用フローの確認からスタート。業務担当部へのヒアリングをおこなった。その一方で汎用のアプリ作成ツールの特徴であるローコード開発(可能なかぎりソースコードを書かず、工程を省略または自動化するアプリ開発の手法)も学習した。

「ローコード開発は外部研修の受講と書籍や動画を見て学びました。昨年までは管理部門に所属していたためITスキルはなく、ゼロからのスタートです。ローコードといっても何も書かなくていいということではなく、開発段階ではひとりでは解決できないエラーに何度も直面しました。その壁をメーカーに問い合わせたりチームメンバーに助けてもらったりして乗り越えていきましたので、仕様どおりの機能を搭載できたときはうれしかったですね。最後までスピード感を損なわずに取り組めたことが自信になりました」

現在は最終的な動作確認と試験的に導入の検討段階で、今後の本格運用を目指す。
「ペーパーでいいのではないか、という意見があるのは承知しています。今後の目標はそういう方に便利だと思ってもらえる機能を追加していくこと。他にもアプリによる自動化・効率化の候補に挙がっている業務はたくさんありますので、さまざまな課題と積極的に向き合い、行員の負担を軽減していきたいと思っています」

【店頭タブレット端末『AGENT(エージェント)の新機能開発】

自ら設計したものを
作りこんでいく楽しさを
改めて感じたプロジェクト:T.T

「ペーパーレス(書類の削減)」「現金ハンドリングレス(現金取扱いの削減)」「バックレス(後方事務作業のスリム化)」をテーマに掲げる次世代型店舗向けに開発された店頭タブレット端末『AGENT(エージェント)』。横浜銀行の全店舗に展開された現在は、お客さまの評価と店内業務に携わる行員の意見をもとに、新機能を追加するためのアプリ開発を内製化して進めている。

「私がリーダーとして取り組んだのは、機能追加プロジェクトとしては第3フェーズにあたるキャッシュカード・通帳の紛失・再発行手続き機能の設計・開発です。特に困難だったのは、店舗の業務フローに合わせて調整することです。『AGENT(エージェント)』は、お客さまが保有するキャッシュカードを用いた本人確認をおこなったうえで各種手続きをおこなう前提があるのですが、今回開発した業務は『お客さまがカードを紛失されている』前提を考える必要があります。従来のAGENTにない本人確認の手段や業務フローを検討・構築する必要があり、設計から開発まで今までに無い難しさを感じていました」

彼が率いる設計・開発チームと、所管する事務サービス部にとって、初めての内製化プロジェクトだったことも事を難しくした要因の1つだった。お互いの認識不足で議論が噛み合わず、設計が滞るケースが何度もあったという。
「外部のITベンダーにすべてを任せるのではなく、『知識と技術を取得し、連携して進めていきましょう』というのが現在の内製化プロジェクトです。設計に関しては不慣れなところが多く、当初は事務サービス部からコストがかかる提示が来ても、どう対応すべきか悩むことが多かったですね。収穫は、アプリの設計・開発過程で考えられる多くのトラブルを経験し、その解決方法を学んだこと。特に、事務サービス部や外部ベンダーとの協議が難航したとき、ソースコード全体を頭の中で展開しながらコストを計算し、落としどころを見つけて関係者の合意形成をできたことは大きな自信になりました。自ら設計したものを作りこんでいく楽しさも改めて感じたプロジェクトでした」

【営業支援システム、融資業務支援システムの統合】

銀行の根幹を担う2大システムの統合で、
営業・融資業務改革を実現:S.W

お客さまの預金・お借り入れ残高、取引履歴を記録する営業支援システム。法人のお客さまへの融資額を検討する際の判断基準となるデータが蓄積されている融資業務支援システム。ICT推進部では2024年1月のリリースをめざし、銀行業務の根幹を担う2大システムの統合プロジェクトを進めている。

「初期開発の時期が異なるのでそれぞれ独立した形で運用していましたが、システムの更改時期を迎えるにあたり、UIから作り直してデータベースを一本化することになりました。最大のメリットは、渉外担当の業務量を大幅に削減できること。本システムの稼働により、年間35万時間程度の渉外業務の削減を実現できる見込みです。また、お客さまの全体像がとらえやすくなりますので、今まで以上にお客さま本位の提案活動ができると思います」

プロジェクトのスタートは2021年3月。この1年半は、業務の流れを統括している営業戦略部、複数の外部ベンダーとともにシステムの仕様を固め、実装する機能を検討してきた。

「次期システムの変更点や新規機能について関係者の皆さんの理解を得るのは想像以上に困難です。それでも、私には個人渉外業務の経験と、外部のシステムベンダーへの出向で習得した知識があります。それを生かして双方の立場で提案をおこない、関係者をつなぐことに面白さを感じています。楽しみなのは、渉外担当時代にあればいいな…… と考えていた機能をいくつか実装できそうなことです。その1つが、ローン審査の機能。今までは紙を用いた審査が多かったのですが、お客さまからいただいた様々な資料などを1つのシステムに集約することで、管理の煩雑さが軽減され、かつお客さまの全体像やニーズをより把握しやすくなります。支店の皆さんも喜んでくれると思います」

【融資審査支援システムに搭載する審査ロジックの改訂】

法人渉外で培った
コミュニケーション力を生かして
関係者の共通認識を促した:M.Y

「融資に関わる煩雑な業務をICT技術で見える化し、支店の渉外担当の負担を軽減したいと思ったことがICT推進部への異動を希望した一番の理由です」

そう話す彼がこの部門へ来て最初に取り組んだのが、審査ロジックの改訂だ。横浜銀行では、融資に関する個別のリスクを一定の基準で区分することで、融資審査に役立てている。この区分を算定するための審査ロジックを改訂し、現在、データベースの統合作業が進められている融資審査支援システムに搭載したのだ。

「私が一番苦労したのは、試験工程です。今回のロジック改訂はお客さまへの影響が大きいため、不備がないかを検証し、トラブルなく運用開始できることが非常に重要だからです。多面的な観点で漏れがないよう試験を行うため、融資部、リスク管理部、浜銀総合研究所、外部ベンダーと連携してロジックの検証を行いました。複数の関係各所の認識を揃えてリリースへ向けて進んでいくのは簡単ではありませんでした。それでも、支店時代に培ったコミュニケーション力を活かして関係者の悩みを整理し、解決できたのではないかと思います」

改訂版の審査ロジックを搭載した融資審査支援システムは、予定通り2022年6月に運用を開始した。最大の変更点は、法人のお客さまの事業規模と業態を細分化したこと。これにより、今まで以上に正確な審査ができるようになった。

「異動前にイメージしていたような支店の業務フローを簡略化するプロジェクトではありませんが、このロジックを使う支店の渉外担当や融資部の資産査定担当の反応は上々。『違和感がなくなった』という声がうれしかったですね。今後も先進的でお客さまと行員に喜ばれるシステムやツールをつくっていきたいです」

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