※紹介行員のインタビュー内容・所属等は取材当時のものになります
歴史や文化、自然・食環境・交通アクセスに恵まれ「世界が憧れるまち」をめざす小田原市は、2030年までの工程表として『2030ロードマップ』を策定。環境・エネルギー分野では、2050年のカーボンニュートラル実現を見据えた目標として「再生可能エネルギー導入量5倍」を掲げています。
これをうけてガス会社をはじめとする地元のエネルギー企業は、2020年6月より共同出資事業という形で『0円ソーラー事業』をスタートしました。『0円ソーラー事業』は、県の補助金を活用して住宅の屋根に太陽光発電システムを設置し「電気の地産地消」をコンセプトに再生可能エネルギーの普及をめざす事業です。
スキームは
■小田原市の地元企業が出資・設立した0円ソーラー事業者が、初期費用を負担して市内の住宅に太陽光発電システムを設置
■住宅所有者は自家で発電した電気のうち、使用した分の料金を0円ソーラー事業者に支払う
■0円ソーラー事業者は余剰電力を電力会社へ売電する
■一定期間(おおむね10年)経過後、太陽光発電システムは住宅の所有者に無償で譲渡する
住宅所有者は0円で太陽光発電設備を設置できるうえ、自然災害等で停電が発生しても昼間の電気が確保できるというメリットがあります(蓄電池があれば夜間でも利用可能)。
この事業において横浜銀行は、資材の購入資金や工事資金を支援。2022年度以降はお客さまの要望に応え、地元信金との協調融資をおこなっています。お取引のある個人のお客さまの紹介についても支店をあげて取り組み、西部地域の再生可能エネルギーの普及に貢献しています。
課長代理 2014年入行
H.N
入社5年目に個人渉外から法人渉外へ係替えし、2021年に課長代理へ昇進。『0円ソーラー事業』では主担当として融資審査準備、地元信金との融資スキーム調整を推進。現在は行内勉強会の開催、個人渉外と連携した紹介活動などをおこなっている。
0円ソーラー事業者を設立した複数のエネルギー関連企業は横浜銀行の取引先でしたので『0円ソーラー事業』への支援は必然でした。しかし、支店がこのスキームのビジネスを扱うのは初めて。また、サステナブルファイナンス・グリーンファイナンスと呼ばれるこの分野には通常の融資と異なる規定があり、本部の承認を得るにはこれまでに扱ったことのないデータを揃える必要がありました。具体的には太陽光パネルの性能と設置数・平均日照時間に基づく発電量、CO₂削減量などがそれで、お客さまから提出していただく計画表の検証を含め、すべてを学びながら進めていきました。最終的な融資形態や資金の管理方法の決定も想像以上に大変でした。だからこそ融資が決まり、「あなたが担当でよかった。ありがとう」と言われたときはすべてが報われた気がしてうれしかったですね。
事業者への支援は、ビジネス開始から2年間は地元信金と当行が交代で資材の購入資金や工事資金の融資を実行。3年目からは事業者さまの強い要望で2行の協調融資となりました。当行と信金は長年にわたる競合相手。協力関係を築くのは簡単なことではありません。それでも、小田原市を盛り上げていきたいという想いは同じ。お客さまが住宅を所有する個人のお客さまの紹介を増やすために決断されたことも理解できましたので、私は信金との融資スキームの調整を進める一方で行内勉強会を開催し、ビジネスの目的とスキームを行員に周知しました。そのかいあって行員の理解は深まり、太陽光発電パネルの導入件数は着実に積み上がっています。脱炭素社会の実現は世界的なテーマであり注目後も高いので、今後も小田原市の全世帯への導入をめざして活動を継続します。
取引先である地元の事業者と連携し、小田原をはじめとする県内3つのエリアにおいて、名産品・歴史・文化などの地域資源を生かした特色あるツアーを企画し、地域にひとの流れを作る後押しをしました。
独自の金融教育プログラム「はまぎん おかねの教室」を立ち上げ、ウェブサイト上で楽しく学べる動画や、学校ですぐに使える教材提供に加え、出張授業などをおこなっています。最近では、秦野市と金融教育をひとつの柱とした連携協定を締結しました。
※(公財)消費者教育支援センター主催「消費者教育教材資料表彰2023内閣府特命担当大臣賞」受賞
小田原市・三井住友信託銀行と、同市におけるエネルギーの地産地消を対象とするインパクト評価に関する連携協定を締結しました。インパクト評価の実施により、同市のエネルギー地産地消モデルの実現をめざしていきます。